親のNISA枠と、これから始まるこどもNISA枠、限られた資金だったらどっちを優先すればいいんだろう・・・
この記事では、親のNISA枠とこどもNISA枠、どちらを優先すべきかという悩みについて、わが家なりの考え方を正直に紹介します。
こどもNISAが始まると知って、
- 自分のNISA枠がまだ埋まっていないのに、こどもNISAも始めるべきか迷っている
- 「子どもの方が使える期間が短いから子ども優先」という考え方が正しいのか分からない
- 限られた資金をどちらの枠に優先して回すべきか、判断基準がほしい

「こども優先」という直感、実は一理ある


「こども優先」を支持する理由
- こどもNISAの年間60万円の枠は、その年に使わなければ消える(翌年への繰り越し不可)
- しかも、使える期間自体が0〜17歳までと有限。18歳になれば自動的に成人NISA枠に移行する
- 親のNISA枠は今年使わなくても来年また使える余地が実質的に開かれている(子どものような年齢の締め切りがない)
- 子どもが小さいうちほど、こどもNISAに入れたお金が非課税で運用できる期間は長くなる(18歳以降も成人NISA枠としてそのまま非課税運用が続く)
「その年の非課税枠を使わなければ消える」という性質自体は親も子どもも共通ですが、子どもの場合は「使えるチャンスが0〜17歳までしかない」という年齢の締め切りが上乗せされている点が、優先すべき根拠になります。
親のNISAとこどもNISA、制度の違いを比較表で整理


| 項目 | 親のNISA | こどもNISA |
|---|---|---|
| 対象者 | 18歳以上 | 0〜17歳 |
| 年間投資枠 | 360万円(つみたて120万円+成長240万円) | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 | 600万円 |
| 投資できる商品 | つみたて投資枠・成長投資枠で対象商品が異なる | つみたて投資枠と同じ対象商品のみ |
| 非課税で保有できる期間 | 無期限 | 無期限(18歳以降は成人NISA枠として引き続き非課税運用) |
| 払い出し(引き出し) | いつでも自由 | 原則、中学校入学年より前は不可(災害等の例外を除く)。中学校入学年以降は教育費・生活費に限り可 |
| 口座の名義・管理 | 本人 | 子ども本人名義、親権者等が運用管理 |
この表の中で優先順位を考えるうえで特に効いてくるのが、「対象者の年齢」と「払い出し(引き出し)」の2点です。この2つを軸に、次の章で「それでも慎重に考えたい理由」を整理します。
将来の相続も見据えるなら、早めに子どもの口座に移す手も



仕組みはこうです。生前贈与(暦年贈与)には、1人の受贈者につき年110万円まで贈与税がかからない基礎控除があります。この枠内で親から子へお金を渡し、こどもNISAで非課税運用しておけば、贈与税はかからず、かつ運用益も非課税になります。
さらに重要なのは、生前に贈与して子ども名義に移したお金は、原則として将来の相続財産には含まれないという点です。親の口座に置いたまま資産が育つと、相続が発生した際に相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた分には相続税がかかりますが、生前に子どもへ移しておいた分は、その時点で親の資産から切り離されているため、相続税の計算対象から外れます。
相続開始前7年以内(2024年1月の改正で3年から延長)に行われた贈与は、相続財産に加算し直されるルールがあります。つまり、贈与から7年以上経っていないと、せっかく生前贈与したお金も相続税の計算対象に戻ってしまう可能性があるということです。だからこそ「早めに仕込んでおく」ことに意味があり、相続が発生する直前になって慌てて贈与を始めても、この効果は十分に得られません。
より詳しいシミュレーション(祖父母から孫への贈与例)は「祖父母からの贈与でこどもNISA、いくらまで非課税?」でも解説しています。


それでも慎重に考えたい3つの理由

理由1: こどもNISAは流動性が低い
こどもNISAは中学校入学年より前は原則引き出せません(災害等の例外を除く)。中学校入学年以降は教育費・生活費への払い出しが認められますが、親のNISA枠に比べると、いざという時に動かせるお金としての柔軟性は低いのが実情です。
理由2: 親のNISA枠にもまだ余裕がある

理由3: 子どもが複数いる家庭は、配分の難易度がさらに上がる
子どもが2人・3人といる家庭では、全員分のこどもNISA枠(1人あたり年間60万円)を満額で埋めようとすると、資金的な負担はその分だけ重くなります。この場合の優先順位については、考え方が分かれます。
- 「上の子から埋める」考え方: 年齢が上の子ほど0〜17歳という使える期間の残りが短いため、先に埋めないと非課税で運用できる期間をより多く失ってしまう
- 「教育資金が必要になるタイミングが早い子から」考え方: 中学受験や大学進学等、まとまった支出が近い子どもを優先して厚めに積み立てる
どちらが正解というわけではなく、各家庭の資金状況・教育方針によって変わる話です。全員分を同時に満額で埋める必要はなく、まずは無理のない範囲で始めて、資金に余裕が出た分から広げていくという考え方で十分だと思います。


わが家が出した現実的な結論

わが家の優先順位の考え方
- 親のNISA枠を無理に犠牲にしてまで、こどもNISAを急ぐ必要はない
- ただし、余剰資金の「行き先」としては、年齢の締め切りがある分こどもNISAに理がある
- 親の年間投資額(現状18.6万円/月)は維持しつつ、iDeCoの優先順位を見直して捻出した資金をこどもNISAに回す方向で検討中
- 「どちらか一方」ではなく「両方の性質を理解した上でバランスを取る」のが現実的
「子ども優先」という直感は方向性としては間違っていませんが、決め手は「親の枠を無理に犠牲にしてまで急ぐ必要はないが、余剰資金の行き先としては子どもの方に理がある」という程度の話だと考えています。資金の捻出方法については、「こどもNISAとは?2027年開始の新制度、わが家の活用プランを公開」でも詳しく紹介しています。
SBI証券は2026年10月1日からこどもNISA口座の事前受付を開始する予定です。2027年1月のスタート時に足並みを揃えて積立を始めるには、受付開始前に「親の口座」と「こどもの口座」を開設しておくのがポイントです。
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よくある質問
Q. こどもNISAの資金は、親が自由に引き出せますか?
A. いいえ。こどもNISAは子ども本人名義の口座で、親権者等が運用管理を行う形です。資金自体は中学校入学年より前は原則引き出せず(災害等の例外を除く)、中学校入学年以降も子ども本人の教育費・生活費に限って払い出しが認められる想定です。
親が自由に使えるお金ではないので、「とりあえず親の都合で動かせるお金」としては考えない方がよいでしょう。※制度開始前のため、詳細は今後の公表内容を必ず確認してください。
Q. 子どもが複数いる場合、第一子・第二子どちらを優先すべきですか?
A. 上記「理由3」で紹介した通り、「年齢が上の子から埋める」「教育資金が必要になるタイミングが早い子から」のいずれの考え方もあり、正解は家庭の状況次第です。全員分を同時に満額で埋める必要はなく、無理のない範囲で始めるのが現実的です。
Q. 親のNISA枠を使い切ってから、こどもNISAを始めるべきですか?
A. 必ずしも「使い切ってから」でなくても構いません。わが家のように「親の枠は今年分を無駄にしない程度は維持しつつ、資金に余裕が出た分からこどもNISAに回す」という折衷案も一つの考え方です。詳しいNISA・iDeCoの投資額内訳は「NISAと確定拠出年金を夫婦でどう使い分ける?」で紹介しています。
Q. 祖父母から子どものために贈与を受ける場合、優先順位の考え方は変わりますか?
A. 祖父母からの贈与を活用する場合は、暦年贈与の基礎控除(年110万円)の範囲内で考えるのがポイントです。この場合、親自身の資金を使わずにこどもNISA枠を埋められるため、優先順位の悩みが和らぐケースもあります。贈与を活用したシミュレーションは「祖父母からの贈与でこどもNISA、いくらまで非課税?」で詳しく解説しています。
まとめ


親のNISA・こどもNISA、それぞれの非課税枠の性質を理解した上で、ご家庭の資金状況に合わせたバランスを見つけてみてください。