中小企業診断士の1次試験とは?結論から解説



特に、こんな疑問を持っている人が多いのではないでしょうか。
- 1次試験が何科目あって、それぞれ何を問う科目なのか知りたい
- 配点や合格基準、科目合格制度の仕組みが気になっている
- 過去問はどう使えばいいのか知りたい
この記事で分かること
- 1次試験の科目構成(7科目)とそれぞれの内容
- 配点・合格基準・科目合格制度の仕組み
- マークシート方式という出題形式と過去問の使い方
- 2次試験との違い
先に結論を書くと、中小企業診断士の1次試験は経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目、各100点・マークシート方式(選択式)で構成されています。合格するには総得点700点中60%以上(420点以上)を取るだけでなく、各科目でそれぞれ40%以上の得点が必要で、1科目でも40%を下回ると他の科目がどれだけ高得点でも不合格になる「足切り」があります。この仕組みは2次試験と共通ですが、60点以上取った科目は「科目合格」となり、合格年度を含め3年間は該当科目の受験が免除されるという、1次試験だけの独自の制度もあります。
1次試験の科目構成:7科目とそれぞれの内容
1次試験は、次の7科目で構成されています。例年8月に2日間(1日目4科目・2日目3科目)に分けて実施されます。
1次試験の7科目(各100点)
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理(オペレーション・マネジメント)
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
各科目は100点満点・マークシート方式(選択式)で、7科目合計で700点満点です。1日目に経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理の4科目、2日目に経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の3科目が実施されます。2次試験の事例I〜IVがそれぞれ特定の1次科目に対応しているため(事例I=企業経営理論、事例II=運営管理の一部、事例III=運営管理、事例IV=財務・会計)、1次試験の知識は2次試験の土台にもなります。
配点・合格基準:総得点60%以上・各科目40%以上が必要
1次試験(マークシート方式)の合格基準は、次の2つの条件を両方満たす必要があります。
| 条件 | 基準 |
|---|---|
| 総得点 | 700点中420点以上(60%以上) |
| 各科目の得点 | 各科目とも40点以上(40%以上) |
総得点で60%を超えていても、7科目のどれか1科目でも40%未満(40点未満)の得点だと、その時点で不合格が確定します。これは2次試験(事例I〜IV)と共通の仕組みです。2025年度(令和7年度)の1次試験の合格率は23.7%でしたが、科目別に見ると「中小企業経営・政策」が30.7%と最も高く、「財務・会計」が8.4%と最も低いなど、科目ごとの合格率の差も大きいのが特徴です。
科目合格制度:一部科目だけ合格すれば数年間免除される
1次試験には、2次試験には無い「科目合格制度」という独自の仕組みがあります。
- 7科目全体で60%以上・各科目40%以上を満たせなくても、60点以上取った科目は個別に「科目合格」となる
- 科目合格は、合格した年度を含めて3年間、その科目の受験が免除される
- 免除された科目は受験せず、残りの科目だけに集中して合格を狙うことができる
- ただし、1次試験全体に合格した時点で、それまでの科目合格の効力は消滅する
この制度を使えば、1年で7科目すべてに合格する「ストレート合格」にこだわらず、複数年に分けて計画的に合格を狙うという選択肢が取れます。働きながら受験する社会人には特に有効な制度です。
出題形式:マークシート方式と過去問の活用
1次試験は、2次試験の記述式(与件文+設問)とは異なり、マークシートによる選択式で解答します。知識を正確に覚えているかどうかが得点に直結するため、対策の中心は過去問演習になります。
過去問は中小企業診断協会の公式サイトで無料公開されているほか、各受験予備校の教材にも収録されています。1次試験は同じ論点が形を変えて繰り返し出題される傾向が強いため、何年分もの過去問を繰り返し解き、間違えた論点をテキストに戻って確認する、というサイクルを回すのが基本的な対策です。暗記科目は特に、過去問演習を通じて「どこまで細かく覚える必要があるか」の肌感覚をつかむことが効率化のカギになります。
2次試験との違い
1次試験と2次試験は、同じ中小企業診断士試験の中でも性質が大きく異なります。
| 1次試験 | 2次試験 | |
|---|---|---|
| 出題形式 | マークシート方式 | 記述式(与件文+設問) |
| 科目数 | 7科目 | 4科目(事例I〜IV) |
| 配点 | 700点満点 | 400点満点 |
| 受験資格 | 誰でも受験可能 | 1次試験合格者のみ |
| 科目合格制度 | あり(3年間有効) | なし |
| 実施時期 | 例年8月(2日間) | 例年10月下旬の日曜日 |
1次試験が知識を幅広く問う試験であるのに対し、2次試験はその知識を実際の経営課題にどう応用するかを問う試験です。2次試験の詳しい科目構成・配点・合格基準は「中小企業診断士の2次試験とは?」で解説しています。
1次試験対策はどう進める?独学と講座の使い分け


1次試験の7科目は、大きく2つのタイプに分けられます。
科目の分類
- 理解重視科目(企業経営理論・財務会計・運営管理・経済学):暗記よりも「理解できているか」が問われる。二次試験にもつながる科目
- 暗記3科目(中小企業経営・政策/経営法務/経営情報システム):範囲が広く暗記の比重が重い。効率よく覚えるポイントを絞り込む工夫が必要
理解重視科目は、過去問演習を繰り返しながら独学でも対応しやすい一方、暗記3科目は範囲が広いため、通信講座で「覚えるべきポイント」を絞り込んでもらう方が効率的という受験生が多いです。通信講座を比較検討したい場合は、スタディング・資格の大原・アガルートを比較した記事を用意しているので、あわせて参考にしてください。
中小企業診断士のおすすめ通信講座5選【2026年最新】スタディング・資格の大原・アガルートを徹底比較
中でもスタディングは、スキマ時間での学習に対応したオンライン講座で、暗記科目の頻出論点を効率よく絞り込める教材を比較的リーズナブルな価格帯で利用できます。
私の場合:科目ごとの難しさと合格までのペース配分


私(HIRO)の場合の実感
- 1年目に7科目のうち3科目を科目合格、2年目に残り4科目に合格(この年2次試験にも挑戦したが不合格)、3年目に2次試験に合格。最初から「1年目で半分程度を科目合格しておく」という計画的な戦略だった
- 一番苦労したのは経営法務。暗記量が多い上に、年によって非常に難しい問題が出るため
- 財務・会計や企業経営理論は実務で触れてきた知識があり、経営情報システムも仕事の経験でカバーできたため、一般的な勉強時間の目安(800〜1,000時間)よりは少なく済んだ実感がある
- 平日は通勤前・通勤時間・お昼休み・帰宅後寝る前の4つの時間帯ごとに「何を勉強するか」を固定するルーティン化が鍵。通勤時間は一問一答形式の暗記、お昼休みは過去問演習、寝る前は記憶が定着しやすい暗記もの、と内容を決めておくことで「何をやるか悩む時間」を減らした
7科目を1年で一気に合格する必要はありません。科目合格制度を使い、2〜3年かけて計画的に合格を狙うというのも十分現実的な戦略です。働きながら受験する場合は特に、無理のないペース配分を最初に決めておくことが、結果的に挫折せず完走する近道になります。
よくある質問
1次試験は何科目ありますか?
経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の7科目です。各100点満点、マークシート方式(選択式)です。
1次試験の合格基準を教えてください
総得点(700点満点)の60%以上(420点以上)、かつ各科目で40%以上の得点が必要です。1科目でも40%未満だと、総得点が基準を満たしていても不合格になります。
科目合格制度とは何ですか?
1次試験全体には合格できなくても、60点以上取った科目は個別に「科目合格」となり、合格した年度を含めて3年間、その科目の受験が免除される制度です。1次試験全体に合格した時点で、それまでの科目合格の効力は消滅します。
1次試験と2次試験の違いは何ですか?
1次試験はマークシート方式で7科目、誰でも受験できます。2次試験は記述式で4科目(事例I〜IV)、1次試験合格者のみが受験できます。1次試験が知識を幅広く問うのに対し、2次試験はその知識を経営課題にどう応用するかを問う試験です。
1次試験はいつ実施されますか?
例年8月に、2日間(1日目4科目・2日目3科目)に分けて実施されます。
1次試験の対策は独学でも可能ですか?
企業経営理論・財務会計・運営管理・経済学のような理解重視科目は独学でも対応しやすい一方、中小企業経営・政策、経営法務、経営情報システムのような暗記の比重が重い科目は、通信講座で頻出論点を絞り込んでもらう方が効率的という声が多いです。
まとめ


この記事のポイント
- 中小企業診断士の1次試験は、経済学・経済政策/財務・会計/企業経営理論/運営管理/経営法務/経営情報システム/中小企業経営・中小企業政策の7科目で構成される
- 各科目100点満点・マークシート方式、総配点700点
- 合格基準は総得点60%以上かつ各科目で40%以上。1科目でも40%未満だと不合格になる「足切り」がある
- 科目合格制度(60点以上の科目は3年間受験免除)を使えば、複数年に分けて計画的に合格を狙うことも可能
- 科目は「理解重視科目(企業経営理論・財務会計・運営管理・経済学)」と「暗記3科目(中小企業経営・政策/経営法務/経営情報システム)」に分けて対策すると効率的
- 例年8月に2日間で実施、2025年度の合格率は23.7%
- 科目合格制度を活用し「1年目3科目・2年目4科目」で計画的に合格した実例も紹介。1年で一気に合格する必要はない
7科目という範囲の広さに怖気づかず、科目合格制度も活用しながら自分に合ったペースで挑戦してみてください。