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IRとは?仕事内容・年収・「辛い」と言われる理由を現役IR担当が解説

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HIRO

30代の経済産業省登録の中小企業診断士。日々の家計の節約術・決算資料から投資に役立つポイント解説を発信します。 妻と3歳の子どもの3人暮らし。夫婦でサイドFIREを目指してます。

YU
「IR」ってよく聞くけど、具体的にどんな仕事をしているの?決算のときに出てくる人、くらいのイメージしかないや。
HIRO
僕は経営企画と兼務でIRも担当しているんだけど、「決算のときだけ忙しい仕事」というイメージとはちょっと違うよ。ネットで調べると「IR担当は辛い」という声も出てくるしね。
決算のとき以外にも仕事があるんだ。実際は何をしている仕事なんだろう?

この記事では、経営企画・IR担当として働いている僕(HIRO)が、次の内容を解説します。

  • IRの具体的な仕事内容
  • IRの年収相場
  • 「IR担当は辛い」と言われる理由
  • IRに向いている人・向いていない人、キャリアパス

結論から言うと、IRは「決算を発表するだけの仕事」ではなく、会社の実態を投資家に正確に伝え、フェアな情報開示を続けることで市場からの信頼を積み上げていく仕事です。「辛い」と言われる理由の多くも、この「フェアであり続けること」の難しさに集約されます。

IRとは?仕事内容を解説

IR(Investor Relations)とは、株主・投資家に向けて会社の経営状況や財務情報を発信し、良好な関係を築いていく部門・職種です。企業の「広報」の中でも、特に投資家を対象にした情報発信を専門に担います。

主な業務内容は次の通りです。

決算説明資料の作成

四半期ごとの決算発表に合わせて、業績の背景・今後の見通しを投資家に分かりやすく伝える決算説明資料を作成します。数字の羅列ではなく、「なぜその数字になったのか」「今後どうなっていくのか」というストーリーを組み立てる仕事です。

機関投資家対応

証券会社のアナリストや機関投資家からの個別の質問・面談(アナリスト・ミーティング)に対応します。経営陣が直接対応する場合もあれば、IR担当が窓口となって調整・同席することもあります。

株主総会対応

株主総会の運営・資料作成に関わり、株主からの質問への回答準備も担います。会社の1年間の活動を株主に説明する、重要な場の一つです。

個人投資家からの問い合わせ対応

機関投資家だけでなく、個人投資家からの電話・メールでの問い合わせにも対応します。専門的な質問から素朴な疑問まで幅広く、丁寧な説明力が求められます。

適時開示

取締役会等での決議を受けて、会社の重要な決定事項を証券取引所のルールに沿って速やかに開示する業務です。金融商品取引法・東京証券取引所の定める上場規程に基づき、透明性・公平性・継続性を持った迅速な情報開示が求められます。

HIRO
決算説明資料作成、機関投資家対応、株主総会対応、個人投資家からの問い合わせ対応、そして取締役会などでの決議を受けた適時開示。これが僕の実際の業務内容だよ。

IR特有のルール「フェアディスクロージャー」とは

YU
IRの仕事は普通の広報と何が違うの?
HIRO
一番大きいのは、「フェアディスクロージャールール」という、投資家間の公平性を厳格に守らなければいけないルールがあること。

フェアディスクロージャールールは、2018年から東京証券取引所の自主規制ルールとして導入された制度です。特定の投資家だけが有利な立場で売買できてしまう「情報格差」をなくし、市場の公正性と透明性を高めることを目的としています。つまり、どんなに熱心に質問してきた投資家にも、他の投資家より先に・多く情報を伝えることは許されないのです。

このルールがあるからこそ、IR担当は「答えられる質問」と「答えられない質問」を常に見極めながら対応する必要があります。

IRの年収相場

IRの年収は、調査元・求人によって次のように幅があります。

年代・レイヤー年収の目安
20代400万円台が中心
30代500万〜600万円程度
求人掲載ベースの一般的なレンジ550万〜700万円程度
経験5年以上・IR部門の責任者クラス800万円以上のケースも

IRは会計・財務・法務・広報と幅広い知識が求められる専門職のため、経験を積むほど市場価値が上がりやすい職種とされています。会社規模・上場区分(プライム市場かどうか等)によっても年収レンジは変動します。

「IR担当は辛い」と言われる理由

IRを調べると「辛い」「大変」という声も少なくありません。理由として挙げられることが多いのは、主に次の3つです。

1. 決算発表前後の繁忙期

四半期ごとの決算発表前は、決算説明資料の作成・経営陣との調整で業務量が一気に増えます。発表直後も投資家からの問い合わせ対応に追われるため、年に4回、確実に忙しい時期がやってくる仕事です。

2. 株価への説明責任のプレッシャー

会社の業績・将来性を正確かつ分かりやすく伝える責任を負っているため、常に緊張感を伴います。発信したメッセージが市場にどう受け止められるかは、最終的にコントロールできない部分も大きいです。

3. 「答えられない質問」への歯痒さ

投資家からは容赦なく質問が来ますが、フェアディスクロージャールールの観点から、答えられない質問も多くあります。特にまだ開示していない情報については、問い合わせてきた投資家一人だけに優先して伝えることはできません。誠実に対応したい気持ちと、ルール上答えられないもどかしさの間で、歯痒さ・難しさを感じる場面が多い仕事です。

私の場合:現役IR担当のリアル

YU
「答えられない質問」って、具体的にどんな質問なの?
HIRO
まだ開示していない情報だったり。フェアディスクロージャーの観点から、問い合わせてもらった一人だけに優先して伝えることはできないからね。
YU
それでも投資家は容赦なく聞いてくるんだよね。
HIRO
そうだね。答えられない質問も多いから、歯痒さや難しさを感じることはあるよ。

IRの仕事のやりがいについても聞きました。

HIRO
狙った通りのメッセージが、決算説明資料や開示資料を通じて投資家に意図通りに伝わった時かな。それが株価に反映されればベストだけど、そううまくは行かないよね。

IR経験者のキャリアパスについても聞きました。

HIRO
IR担当自体がそもそも幅広い知識を求められる職種だから、そこからのキャリアは同じ職種で他の企業に移ることが多いと思う。IRの責任者になったり、人によってはCFOをやる人もいるかもしれないけど、それは稀だと思うよ。

私(HIRO)の場合の実感

  • 決算発表前は忙しくなる。投資家からの質問には容赦なく答える必要があるが、答えられない質問も多く歯痒さを感じることがある
  • 答えられない質問の典型は、まだ開示していない情報。フェアディスクロージャーの観点から、一人だけに優先して伝えることはできない
  • やりがいは、狙った通りのメッセージが投資家に意図通り伝わった時。株価に反映されればベストだが、そう上手くはいかない
  • IR担当は幅広い知識が求められる職種のため、キャリアは同じ職種で他社のIRに移ることが多い。IR責任者やCFOになる人は稀

IRに向いている人・向いていない人

ここまでの内容を踏まえると、IRには次のような人が向いていると言えます。

IRが向いている人

  • 財務・会計の知識と、複雑な内容を分かりやすく伝える表現力の両方がある人
  • フェアであること・ルールを守ることに誠実に向き合える人
  • 答えられない場面でも、相手に失礼のない形で丁寧に対応できる人
  • 決算期の繁忙期を前提として、波のある働き方を受け入れられる人

逆に、「聞かれたことには何でも答えるべき」という感覚が強い人や、情報を特定の相手にだけ厚く伝えたくなってしまう人は、フェアディスクロージャーのルールとの間で葛藤を抱えやすい可能性があります。

キャリアパスについては、IRはそもそも幅広い知識が求められる専門職のため、同じ職種のまま他社のIRへ転職するケースが多いとされています。経験を積んでIR部門の責任者になる道もあり、稀にCFOまでキャリアを広げる人もいますが、多くはありません。

IRへの転職・キャリアを考えるなら

IRは、経営企画・財務と近接する専門職種です。未経験からIRを目指す場合も、逆にIRから他のキャリアへ進みたい場合も、管理部門に特化した転職エージェントを使うと、実務経験を踏まえた求人紹介を受けやすくなります。

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よくある質問

IRは未経験からでもなれますか?

企業によっては経営企画・財務・広報等の隣接職種から異動・転職するケースが中心で、完全未経験からの採用は他の管理部門職種に比べて少ない傾向があります。財務知識や資料作成力、対外的な説明力をアピールできると評価されやすくなります。

IRの年収はどのくらいですか?

20代は400万円台、30代は500万〜600万円程度が目安とされ、求人掲載ベースでは550万〜700万円程度のレンジも見られます。経験5年以上でIR部門の責任者クラスになると、800万円以上のケースもあります。

フェアディスクロージャールールとは何ですか?

2018年から東京証券取引所の自主規制ルールとして導入された制度で、特定の投資家だけが有利な立場で売買できてしまう「情報格差」をなくすことを目的としています。IR担当は、このルールに基づいて「答えられる情報」と「答えられない情報」を常に見極めながら対応する必要があります。

IRから他のキャリアに進むことはできますか?

IR担当はそもそも会計・財務・法務・広報と幅広い知識が求められる職種のため、同じ職種のまま他社のIRへ転職するケースが多いとされています。経験を積んでIR部門の責任者になる道もあり、稀にCFOへキャリアを広げる人もいます。

まとめ

HIRO
IRは「決算を発表するだけの仕事」じゃなくて、フェアであり続けることで投資家からの信頼を積み上げていく仕事だと思う。
YU
答えられない質問にも誠実に向き合いながら、狙った通りのメッセージを伝えていく。地道だけど大事な仕事なんだね。

この記事のポイント

  • IRは決算説明資料作成・機関投資家対応・株主総会対応・個人投資家対応・適時開示を担う、投資家向け広報の専門職
  • フェアディスクロージャールール(2018年導入)により、特定の投資家だけを優遇する情報開示はできない
  • 年収相場は20代400万円台〜30代500万〜600万円程度が目安。責任者クラスでは800万円以上のケースも
  • 「辛い」と言われる理由は、決算発表前後の繁忙期・株価への説明責任・答えられない質問への歯痒さの3点
  • 幅広い知識が求められる専門職のため、キャリアは同じ職種で他社のIRに移ることが多い。IR責任者やCFOになる人は稀

「IRは辛い」という声だけで判断せず、実際の仕事内容と自分の適性を照らし合わせて考えてみてください。




  • この記事を書いた人

HIRO

30代の経済産業省登録の中小企業診断士。日々の家計の節約術・決算資料から投資に役立つポイント解説を発信します。 妻と3歳の子どもの3人暮らし。夫婦でサイドFIREを目指してます。

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