中小企業診断士の2次試験とは?結論から解説



特に、こんな疑問を持っている人が多いのではないでしょうか。
- 事例I〜IVがそれぞれ何を問う科目なのか知りたい
- 配点や合格基準がどうなっているのか気になっている
- 1次試験とどう違うのか、記述式とはどういうことか知りたい
この記事で分かること
- 2次試験の科目構成(事例I〜IV)とそれぞれのテーマ
- 配点・合格基準の仕組み
- 「与件文」を使った記述式という独特の出題形式
- 1次試験との違い
先に結論を書くと、中小企業診断士の2次試験(筆記試験)は事例I〜IVという4つの科目、各100点・制限時間80分ずつで構成されています。合格するには総得点(400点満点)の60%以上を取るだけでなく、各科目でそれぞれ40%以上の得点が必要で、1科目でも40%を下回ると他の科目がどれだけ高得点でも不合格になる「足切り」があります。出題は「与件文」と呼ばれる企業の状況を説明する文章を読んで、設問に記述式で答えるという、1次試験のマークシート方式とは全く異なるスタイルです。
2次試験の科目構成:事例I〜IVの4科目
2次試験(筆記試験)は、次の4つの事例科目で構成されています。
2次試験の4科目とテーマ
- 事例I:組織・人事(1次科目「企業経営理論」に対応)
- 事例II:マーケティング・流通
- 事例III:生産・技術(1次科目「運営管理」に対応)
- 事例IV:財務・会計(1次科目「財務・会計」に対応、計算問題が中心)
各科目は100点満点・制限時間80分で、4科目合計で400点満点です。事例I〜IIIは与件文を読んで経営課題への助言を記述する形式が中心ですが、事例IVだけは財務諸表分析・原価計算・投資評価等の計算問題が中心という点で、他の3科目とは毛色が異なります。
配点・合格基準:総得点60%以上・各科目40%以上が必要
2次試験(筆記試験)の合格基準は、次の2つの条件を両方満たす必要があります。
| 条件 | 基準 |
|---|---|
| 総得点 | 400点中240点以上(60%以上) |
| 各科目の得点 | 各科目とも40点以上(40%以上) |
総得点で60%を超えていても、事例I〜IVのどれか1科目でも40%未満(40点未満)の得点だと、その時点で不合格が確定します。得意科目でカバーする、という発想が通用しない仕組みになっているため、苦手科目を作らずまんべんなく得点することが重要です。合格率は例年18〜19%程度で推移しています。
出題形式:「与件文」を読んで記述式で答えるスタイル
2次試験の大きな特徴は、「与件文」と呼ばれる文章を読み解いて答える出題形式です。
- 各科目、A4用紙2〜3枚程度の「与件文」(架空の中小企業の概要・課題が書かれた文章)が出題される
- 与件文の内容について、1科目あたり4〜5問程度の設問が出される
- 解答は文字数が指定されており、1問あたり100字前後で記述する
つまり2次試験は、与件文に書かれた企業の状況を正確に読み取り、1次試験で学んだ知識を使って課題への助言を言語化する力が問われる試験です。知識を暗記しているだけでは対応できず、限られた文字数の中で論理的に答えをまとめる訓練が必要になります。
1次試験との違い
1次試験と2次試験は、同じ中小企業診断士試験の中でも性質が大きく異なります。
| 1次試験 | 2次試験 | |
|---|---|---|
| 出題形式 | マークシート方式 | 記述式(与件文+設問) |
| 科目数 | 7科目 | 4科目(事例I〜IV) |
| 受験資格 | 誰でも受験可能 | 1次試験合格者のみ |
| 実施時期 | 例年8月 | 例年10月下旬の日曜日 |
1次試験が知識を幅広く問う試験であるのに対し、2次試験はその知識を実際の経営課題にどう応用するかを問う試験だと考えると分かりやすいです。なお、2次試験合格後には口述試験がありましたが、令和8年度(2026年度)試験から廃止されることが発表されています。この廃止は口述試験のみが対象で、2次筆記試験の科目構成・配点・合格基準には影響しません。
2次試験対策はどう進める?独学が厳しいと感じたら


2次試験は1次試験以上に「独学の壁」を感じやすい試験です。与件文の読み取り方や解答の型は、正解が公開されない中で自己流のまま突き進むと遠回りになりがちです。スタディング・資格の大原・アガルート・TBCなど主要な通信講座を比較した記事を用意しているので、対策の進め方に迷ったら参考にしてください。
中小企業診断士のおすすめ通信講座5選【2026年最新】スタディング・資格の大原・アガルートを徹底比較
私の場合:事例ごとの得意・不得意




私(HIRO)の場合の実感
- 事例II(マーケティング・流通)が苦手だった。1次知識をそのまま当てはめづらく、アイディア勝負のような解答になってしまい得点に繋がりにくかった
- 事例Iと事例IVが得意だった。特に事例IVは計算問題中心で唯一「正解・不正解」がハッキリする科目、苦手な受験生も多いからこそ得点源にしやすい
- 事例IVの対策では、経営分析やキャッシュフロー計算書は満点を狙う。NPV(正味現在価値)等の難しい計算問題は満点が難しくても、部分点をしっかり稼ぐことを意識していた
特に事例IVは、対策すればするほど結果に結びつきやすい科目だと感じています。経営分析(経営指標の算出)やキャッシュフロー計算書は満点を狙えるレベルまで仕上げ、NPV等の高度な投資評価計算は完答できなくても部分点を積み重ねる、というメリハリのつけ方が実践的です。苦手意識から後回しにしてしまう受験生も多いからこそ、事例IVをしっかり対策できると総得点で大きなアドバンテージになります。
よくある質問
2次試験は何科目ありますか?
事例I(組織・人事)・事例II(マーケティング・流通)・事例III(生産・技術)・事例IV(財務・会計)の4科目です。各100点満点、制限時間80分です。
2次試験の合格基準を教えてください
総得点(400点満点)の60%以上、かつ各科目で40%以上の得点が必要です。1科目でも40%未満だと、総得点が基準を満たしていても不合格になります。
2次試験はどんな形式で出題されますか?
「与件文」と呼ばれる、架空の中小企業の状況を説明する文章(A4用紙2〜3枚程度)を読んで、4〜5問程度の設問に100字前後で記述解答する形式です。マークシート方式の1次試験とは全く異なります。
1次試験と2次試験の違いは何ですか?
1次試験はマークシート方式で7科目、誰でも受験できます。2次試験は記述式で4科目(事例I〜IV)、1次試験合格者のみが受験できます。1次試験が知識を問うのに対し、2次試験はその知識を経営課題にどう応用するかを問う試験です。
2次試験はいつ実施されますか?
例年10月下旬の日曜日に実施されます。1次試験(例年8月)から約2〜3ヶ月後です。
2次試験に合格すると、その後は何がありますか?
従来は口述試験がありましたが、令和8年度(2026年度)試験から廃止されることが発表されています。詳しくは口述試験の廃止についての記事をご覧ください。
まとめ


この記事のポイント
- 中小企業診断士の2次試験は、事例I(組織・人事)・事例II(マーケティング・流通)・事例III(生産・技術)・事例IV(財務・会計)の4科目で構成される
- 各科目100点満点・制限時間80分、総配点400点
- 合格基準は総得点60%以上かつ各科目で40%以上。1科目でも40%未満だと不合格になる「足切り」がある
- 出題は「与件文」を読んで設問に記述式(1問あたり100字前後)で答える形式で、マークシート方式の1次試験とは全く異なる
- 例年10月下旬の日曜日に実施、合格率は例年18〜19%程度
- 2次筆記試験合格後の口述試験は令和8年度(2026年度)試験から廃止されるが、2次筆記試験自体の仕組みには影響しない
- 事例IVは計算問題中心で唯一「正解・不正解」がハッキリする科目。経営分析・キャッシュフロー計算書は満点を狙い、NPV等の難問は部分点を積み重ねる対策が有効
2次試験は1次試験とは全く異なる対策が必要な試験です。事例ごとの特徴を理解した上で、苦手科目を作らない対策を進めていきましょう。