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識学の急成長を支える最重要KPIとは?

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識学の急成長を支える 最重要KPIとは?

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30代の経済産業省登録の中小企業診断士。日々の家計の節約術・決算資料から投資に役立つポイント解説を発信します。 妻と二人暮らし。夫婦でサイドFIREを目指してます。

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今日は2021年12月30日に発表された決算説明会資料から、独自組織運営理論による経営層向けコンサルを提供する「識学」の決算を見ていきましょう!

株式会社識学 2022年2月期第3四半期決算説明資料

株式会社識学の概要

まず株式会社識学は、主に経営組織コンサルティング企業。「識学」に基づく組織運営を導入・浸透させ、組織の生産性を上げるサービスを展開しています。ウェブ上で識学実践を支援するクラウドサービスも併行して展開しています。

「識学」とは?

耳慣れない「識学」という言葉ですが、株式会社識学の有価証券報告書では、以下のように説明されています。

識学とは、ヒトの意識構造を分析し、行動を阻害する誤解や錯覚の発生原因を研究した、当社が独自開発した理論です。

ヒトの思考の癖から生じる誤解や錯覚が個人の行動の質及び量を低下させ、さらに、個人の集合である組織内で誤解や錯覚が複雑に絡まった結果、組織のパフォーマンスを阻害します。

識学はこの誤解や錯覚の発生要因と解決策を体系化しており、組織運営に活用することで組織の生産性を高めます。

特に経営層に向けた組織コンサルティングが主軸 となっています。

業績ハイライト

概要を大まかに理解したところで、まずはさっそく業績ハイライトを見ていきましょう。

  • 売上高:2,808百万円(YoY+65.6% 計画比 103%)
  • 営業利益:277百万円 (YoY+657.7% 計画比 119%)

売上高は前年比で165%成長、営業利益は757%成長 と、凄まじい勢いで成長しています。

ただ通期の計画値は、売上高は3,798なので進捗率は74%、営業利益は400百万なので進捗率は69%です。

第3Q決算なので、一般的には75%(25%×3Q)が求められることが多いですが、成長企業であれば4Qに近づくにつれ、売上が上がるため許容されることが多いです。

組織コンサル事業について

では、主軸である組織コンサルティング事業について、詳しく見ていきましょう。

組織コンサルティング事業は155%成長

グループ全体売上の87%を占める主軸事業が、組織コンサルティング事業です。

  • 売上高:2,448百万円(YoY+54.9%)
  • 営業利益:456百万円(YoY+312.8%)

労働集約的なコンサルティング事業にも関わらず、前年比155%と高い成長 を示しています。

組織コンサルティング事業のコスト構造は

組織コンサルティング事業のコスト構造は以下の通り説明されています。

コスト構造として大きいのは、やはり人件費と採用費です。ついで、外注費、広告宣伝費と続きます。

外注費支払手数料は、紹介代理店への紹介料やアポイント代行サービスへの外注費、と説明されているので、紹介会社やアポイント代行サービスから受注顧客企業を開拓しているようです。

また最近はSNSでの広告もよく目にするようになりましたね。

 組織コンサル売上を構成する重要KPIは?

KPIは「講師数」×「講師一人あたり売上」

次に主軸事業である組織コンサル売上を構成するKPIを見ていきましょう。

組織コンサルティング事業の売上は、「講師数」×「講師一人あたり売上」に分解できます。 このそれぞれのKPI推移をみていきます。

講師人員数が大きく成長

それぞれのKPIの推移を見てみると、講師一人あたり売上は3.8百万。これは前年3Q(3.6)比較では微増ですが、前Q(4.1百万)比較では微減となっています。

一方、講師人数では69人に伸長しています。前年3Qの53人から130%ほど伸びており、このKPIの伸長が大きくコンサルティング事業の成長を支えています。

 講師一人当たり売上は高い?

講師一人あたり売上は、前述の通り360万程度とのことですが、サービス内容ごとの価格も、決算説明資料で開示されています。

組織コンサルティング事業の売上高が3Qで2,448百万円ですので、累計契約社数が2,735社ということを考えると、一社あたりは89万円程度のようです。

月に直すと、89万÷9ヶ月=99千円ほどのようです。
※累計という表記が分かりづらいので、すでに解約した企業も含むのであれば、現時点での契約社数はもっと少ないかもしれません。

参考までに同様に組織コンサルティング事業を行う、リンクアンドモチベーションのコンサルティング単価は以下の通りです。

過去12ヶ月で8,062千円ですので、月672千円ということです。

株式会社リンクアンドモチベーション 2021年12月期 第3四半期 決算説明会

なぜ講師人員数を伸ばせるのか?

見てきたとおり、講師人員数を最重要KPIとなっている識学ですが、講師を育成する体制とコンテンツ力が、競争優位性を築いています。

規模が大きくなるにつれて、講師の品質にバラつきがでるのが、こういった人材ビジネスの常ですから、メソッドと教育体制をシステマティックに組んでいることで、この組織コンサルティング事業の講師数増加を実現しているようです。

さらに、そもそも講師となる方々の採用も、かなり厳しい基準を設けて採用しているようです。

2000件を超える求人応募がある中で、内定率は1.6%と非常に低く、厳しい採用基準を設けている ことが伺えます。

講師になるまでの期間が、昨年対比で108日から78日と、大きく短縮できているのもポジティブですね。

今後は講師100名体制を目指して

今後の成長戦略として、2024年に講師100名体制を目指す ことを明言しています。

現時点で2021年末で69名、YoYで15名増加していますから、24年までの3年間で講師100名は、十分に達成可能な水準と言えるでしょう。

今後は規模が大きくなる中での、講師人員のマネジメント、そして労働集約から脱却したプラットフォーム型ビジネスの成長が鍵になってきそうです。

 

まとめ

  • 識学の主軸は売上の9割近くを占める組織コンサルティング事業。
  • 組織コンサルティング事業の成長を支えるのは、講師人員数の成長。
  • 2024年には講師人員数は100名体制を実現へ。




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