この記事は中小企業診断士の口述試験まで突破し、登録に向けて実務補習に臨む方へ向けて書いています。
より具体的には、
- 実務補習を申し込んだけど、準備の必要があるか分からない
- 準備が必要と聞いたけど、具体的に事前準備を何をすべきか分からない
- 参考図書があれば知りたい
- 必要なモノがあれば準備しておきたい
そういった思いを抱えている合格者の皆さんに向けた記事です。
2020年(令和2年)に中小企業診断士2次試験に合格し、実務補習を受けました!
いまは企業内診断士として、会社勤めと並行して、副業で平均月10万ほど稼いでいます。
当時は、僕も皆さんと同様に、
「なにか準備したほうがいいのか・・・?」
「具体的に何すればいいんだ?」
と思いながら、手探りで当日を迎えたのを覚えています。
その経験を生かし、本記事では、「中小企業診断士実務補習に向けての準備」を紹介していきます。
それではいきましょう。
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実務補習初日を迎えるまでの事前準備とは
実務補習の事前準備の必要性
まず実務補習の事前準備の必要性についてですが、ぼくの見解としては、以下です。
「事前準備はMUSTではないが、やったほうがBETTER。」
「事前準備することで5日間がより楽に充実したものになる。」
実務補習は5日間と短い
その理由としては、実務補習が5日間と非常に短いことがあります。
また初日の午後に対象企業の社長へのヒアリングがあるため、そこで芯を食った質問をできるかどうか、5日間の成否を分けると言っても過言ではありません。
初日の時間は限られている
初日の午前は、自己紹介から始まり、リーダーや財務など担当を決めるため、ヒアリング準備の時間は限られています。
15日間のコースでも、対象企業が3社に増えるだけなので、5日間×3回と構造は同じです。
そのため、初日を迎えるまで情報を整理し、ヒアリング項目を考えておくだけで、5日間が非常にスムーズに進むのです。
1. マクロ環境調査
実務補習の開始日が近づくと、対象企業の名前や業種が発表されます。それをもとに、外部環境の調査を進めていきましょう。
フレームワークで言えば、PESTを意識しながら、ざっくりと概況を掴むイメージです。
具体的にはその業界の
- 市場規模
- 市場成長性
- 人口動態
- 有力プレイヤー
- 政策や補助金
あたりを抑えておくと、顧客企業との会話の前提になると思います。
業種別審査辞典は必要?
中小企業診断士の界隈で有名なのは、きんざいの「業種別審査辞典」でしょう。
様々な業界についてまとめられたものですが、一冊2万円と高額なので、図書館等で閲覧やコピーする方が多いようです。
個人的には、「近くにあるなら見たほうがいいが、必ず必要でもない」という印象です。
内容的にはある程度書かれているのですが、あくまで概況を使うことにとどまるので、インターネットで各種情報を検索するだけで事足りると感じてます。
2. ミクロ環境調査
1のマクロ環境調査はあくまでざっくりとした調査ですが、より細かい外部環境を調べておくと、よりシャープなヒアリングに繋がります。
とはいえ、わからないことも多いので、ここは仮説だけ考えておき、ヒアリングで確かめるのがよいかと思います。
具体的なファイブフォース分析を考えてみるイメージですね。
たとえば
- 対象企業の直接的な競合は?その価格や品質は?
- 商圏人口はどのくらいで、どの程度がお客さんになりうるか
- 仕入先はどんなところか
- 新規参入や代替品の状況は?
たとえば飲食店であれば、食べログ等で調べてみるのも良いと思います。
商圏分析は、以下が使いやすいのでおすすめです。
3. 対象企業の商材をHPやSNSで確認
ここまでは外部環境について触れてましたが、対象企業の商材についても、可能な限り確認しておきましょう。
HPはもちろんのこと、パンフレットがあれば確認したり、消費者向けの業態であればSNSを確認するのも有効です。
Instagramに力を入れている飲食店も多いので、
- どういう客層を狙っているのか
- どういう訴求をしているのか
を推察してみると良いと思います。
4. 財務諸表のエクセル化と指標分析
事前に対象企業の財務諸表が展開されているかと思います。
ただそういった資料は大抵PDFのため、いざ財務分析をしようと思うと、なかなか時間が掛かります。
すぐ分析に取り書かれるように、事前準備としてPDFをExcelやGoogleスプレッドシートに起こしておくことをオススメします。
メンバーの人と事前に役割分担してもよいかもしれません。
なおAdobeの有料版のライセンスを持っていれば、PDFから自動でExcelに吐き出すことも可能です。
5. ヒアリング項目をリストアップする
1-4をもとにして、ヒアリング項目をリストアップしておきましょう。
最終的にはメンバーで質問を取捨選択するので、同時編集ができるGoogleスプレッドシートがおすすめです。
Googleアカウントさえあれば、無料で利用できます。
ヒアリング項目を作るときには、以下のカラムを用意しておくと良いでしょう。
- ID:ユニークなIDを振っておきましょう
- 分類:なに関連の質問なのか
- 優先度:ヒアリングの時間は限られてるので優先度を定義
- 担当:チームのうち誰が聞くのか
- 質問事項:具体的に聞く項目を書きます
- 回答:ヒアリング時に回答を記載します
必要なものと参考図書
最後に実務補習に必要なものと、参考図書を紹介します。
パソコンとMicrosoft Office
これは実務補習にかぎらず、診断士として仕事をしていくなら、パソコンとMicrosoft Officeは必須です。
実務補習では、各々がノートパソコンを持ってくることを前提としているので、もし持ってない方はこの機会に購入を強くオススメします。
過度にハイスペックである必要ありませんが、古すぎると動作が重く生産的じゃないので、直近2-3年に発売されたものが良いかと思います。
メモ帳とペン
指導員の方のスタイルにもよりますが、ヒアリング時にパソコンでのメモを禁止する方もいるようです。
そういった場合、紙にメモするしかないですので、メモ帳とペンがあったほうが無難だと思います。
参考図書
必ず読む必要はないですが、おすすめ図書も紹介します。
再生コンサルティングの質を高める 事業デューデリジェンスの実務入門
再生コンサルとありますが、それに限らず幅広く使えます。
実務補習は、ある種M&A等で行われるデューデリジェンスに近いところがあります。
実務補習にかぎらず、参考になる良書なのでこの機会にぜひ。
コンサル一年目が学ぶこと
非常にベーシックなことが書かれていますが、これから中小企業診断士として活躍していこうという方には、基本をおさらいする意味でもおすすめです。
事前準備で実務補習がもっと楽に充実する
冒頭で書いた通り、事前準備は必須ではありません。
しかしこれらの事前準備を行うことで、5日間がスムーズに進むことは間違いありません。
平日の仕事が忙しい中で、各々できる限りで準備を進めてみてくださいね。
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